花見
作法・習わしHanami ・ hanami
解説
春、咲き誇る桜の下を散策し、宴を楽しむ習わし。平安の宮廷に源流を持ち、3月から4月のつかの間、寺社の境内や城跡の公園、川辺を人々の笑顔で満たします。
千年続く宴
花見は奈良時代の宮廷で唐風に梅を愛でることから始まりましたが、平安時代には日本古来の桜がすべての心をとらえ、以来「花見」といえば桜を指すようになりました。史上最も名高い花見は、1598年に豊臣秀吉が醍醐寺で催した「醍醐の花見」で、七百人もの供を従えたと伝えられます。盛りの美しさのままに散る桜は、仏教的な無常観と響き合う「美しいはかなさ」の象徴として、日本人に最も愛される花となりました。
寺社の花見
名高い花見の名所の多くは聖域でもあります。塔に寄り添う枝垂れ桜、参道の桜のトンネル、京都の寺院の夜間ライトアップ。春は桜をあしらった限定御朱印の最盛期でもあります。作法は簡単です。枝を揺すったり花を摘んだりしない、立入禁止の場所や苔を踏まない、ごみは必ず持ち帰る、飲食は決められた場所で(境内での飲食を遠慮いただく寺院もあります)。あとは皆と同じように、見上げて、ゆっくり佇むだけです。
よくある質問
- 桜の見頃はいつですか?
3月下旬の京都・東京から5月上旬の北海道へと桜前線が北上します。満開はどの土地でもおよそ一週間ほどで、開花予想が毎日のように報じられます。
- 寺社の境内で花見の宴会はできますか?
許可された場所に限られます。散策は歓迎でも飲食は遠慮いただく寺院が多く、宴会は城跡の公園や川辺が定番です。掲示や社務所・寺務所で確認しましょう。
- なぜ花見は無常観と結びつくのですか?
桜は美しさの頂点でわずか数日のうちに散ります。その姿が「もののあはれ」、すなわち移ろいゆくものへの愛惜の情の象徴として、仏教や和歌の心と重ねられてきたためです。