
Goddess of mercy, compassion, and salvation
観音(観世音)は、世の声を観じて救う慈悲の菩薩であり、インドの阿弥陀の脇侍でもある観自在菩薩(アヴァローキテーシュヴァラ)を源流とし、中国の観音(観世音)を経て日本に広まった。日本では女性的・中性的に表されることが多く、法華経「普門品」および「大悲呪」によって広く信仰される。信仰は天台・真言・禅・浄土など宗派を超えて厚く、千手観音・十一面観音・如意輪観音・馬頭観音など多様な尊形が礼拝される。浅草寺、清水寺、三十三間堂、長谷寺などが名所で、日本の補陀落は和歌山の補陀落山寺に擬せられる。災難除け、病気平癒、安産、航海安全、極楽往生の導きなどの祈願対象として、「南無観世音菩薩」の称名、観音経や大悲呪の読誦、香華の供養、観音札の奉納、そして西国三十三所をはじめとする観音巡礼が行われる。中世以降の神仏習合では、熊野信仰において那智権現の本地仏として千手観音が崇められるなど、神祇とも重ねられてきた。